Webアクセシビリティ・イニシアティブ

Webアクセシビリティ・イニシアティブ(Web Accessibility Initiative)の頭文字を取って、WAI(ワイ)といいます。
WAI(ワイ)は、W3Cの活動の1つです。

WAI(ワイ)の基本概要、原則、アクセシビリティに関係する技術をかんたんに説明しています。

記事元は以下ですが、わかりやすい文章にするために、大幅に意訳しています。
自分の理解で学びたい方は、直接引用リンクをご覧ください。

引用:Accessibility Fundamentals Overview | Web Accessibility Initiative (WAI) | W3C

Webアクセシビリティ・イニシアティブの概要

Table of Contents

はじめに

Webサイトを作成するにあたって、ユーザビリティやアクセシビリティを念頭に制作を行ってきましたが、昨今の日本のWebサイトからは消えつつある基本構想になっています。

初心に戻って、世界と肩を並べたWeb制作ができるよう、ユーザビリティ、アクセシビリティについて語っていきたいと思います。

Webアクセシビリティ・イニシアティブとは

Webアクセシビリティ・イニシアティブの頭文字を取って、WAI(ワイ)といいます。

WAI(ワイ)は、W3Cの活動の1つです。

Web Accessibility Initiativeのホームページスクリーンショット

W3Cは、The World Wide Web Consortiumの略で、加盟組織、常勤スタッフ、一般の人々が協力してWeb標準仕様を開発する国際コミュニティです。

W3C・Webアクセシビリティ・イニシアティブは、Webの世界におけるアクセシビリティの理解と、実装に役立つ標準規格のサポート資料を策定しています。

WAIの単語の意味

Accessibility(アクセシビリティ)とInitiative(イニシアティブ)の意味を辞書で調べると、複数の意味が出てきます。
その中で、WAI(ワイ)に適した翻訳をすると、シンプルに理解できそうです。

Accessibility・・・可触性、利用のしやすさ
Initiative・・・取り組み

W3Cが提言するWAI(ワイ)は、Webサイトは障がいのある人でもない人でも、だれでも見やすく、どんなデバイスでも操作しやすく、理解しやすいものにする、というWebサイトを構築するにあたって、最低限の基本構想です。

誰にでも差別することなくフレンドリーなWebサイトを作るための基本構想

と解釈し、W3C WAIのページを機械翻訳しながら、適宜加筆修正しました。

概要

WebサイトやWebツールが適切に設計・コーディングされていれば、障がいのある人でも不便さを感じず、利用することができます。しかし、多くのサイトやツールは、アクセシビリティの障壁があるため、一部の人にとっては利用が困難または不可能な状態で開発されています。

介助犬、聴導犬、盲導犬

Webサイト・Webツールを利用、使いやすくすることは、個人、企業、そして社会に利益をもたらします。W3Cでは、アクセシビリティに必要なものが定義されています。

アクセシビリティの状況

”Webの力は、その普遍性にあります。
障がいの有無にかかわらず、誰もがアクセスできることが重要なポイントです。”

ティム・バーナーズ=リー(W3Cディレクター、ワールドワイドウェブの発明者

Webは基本的に、ハードウェア、ソフトウェア、言語、場所、能力にかかわらず、すべての人が使えるように設計されています。Webがこの目標を達成すると、聴覚、動作、視覚、認知能力を使って多様な人々がアクセス可能になります。

Webは、多くの人々が現実世界で直面しているコミュニケーションや相互作用に対する障壁を取り除いてくれるので、障がいの影響はWeb上で変化します。

しかし、WebサイトやWebアプリケーション、Web技術、Webツールなどの設計が悪いと、Webを利用するユーザーが使いにくい、使えない、など困難になる可能性が出てきます。

質の高いWebサイトやWebツールを作成し、製品やサービスの利用を制限したくない開発者や組織にとって、Webアクセシビリティは不可欠です。

日本でも、厚生労働省が運営するホームページ全体においては、JIS X 8341-3:2016に対応したアクセシビリティを確保し、多くの方が読まれるWebページは事前にテストを行っています。アクセシビリティについて|厚生労働省 

厚生労働省ウェブアクセシビリティのWebサイト

Webアクセシビリティとは

Webアクセシビリティとは、障がいのある人が利用できるようにWebサイトやWebツール、Web技術を設計・開発することです。より具体的には、人々が

  • Webを認識、理解、ナビゲート、対話できること
  • Webへの貢献できること

です。

Webアクセシビリティには、Webへのアクセスに影響を与える次のようなすべての障がいが含まれます。(日本の身体障がい者福祉法を元にリストアップしています)

  • 視覚
  • 聴覚・平衡機能
  • 音声・言語・そしゃく機能
  • 肢体不自由
  • 内部障がい

Webアクセシビリティは、障がいのない人にもメリットがあります。

  • 携帯電話、スマートウォッチ、スマートテレビなど、画面が小さく、入力モードがデバイスによって異なる機器を使用している人
  • 歳を取るにつれ、手足の能力が変化する高齢者
  • 腕が折れた、メガネをなくしたなどの「一時的な障がい」がある人
  • 明るい日差しの中や、音声が聞けない環境など、「状況的な制限」がある人
  • 遅いインターネット接続を使用している人、または帯域幅が限られているかWeb通信費が高価である人

アクセシビリティが障がい者にとって不可欠であり、誰にとってもさまざまな場面で役立つものであることを示した7分間のビデオが用意されています。
Web Accessibility Perspectives Video (YouTube) ※英語です。

個人、企業、社会にとって重要なWebアクセシビリティ

教育、雇用、政府、商業、医療、娯楽など、生活のさまざまな側面において、Webはますます重要な資源となっています。多様な能力を持つ人々に、平等なアクセスと機会を提供するためには、Webへのアクセスが可能であることが不可欠でです。国連障がい者権利条約(CRPD)では、ウェブを含む情報通信技術へのアクセスを基本的人権と定義しています。

ウェブアクセシビリティ – 内閣府

Webは、多くの障がいのある人にとって、これまでにない情報や交流へのアクセスの可能性を提供します。つまり、印刷、オーディオ、ビジュアルメディアに対するアクセシビリティの障壁は、Web技術によってかんたんに克服することができるのです。

アクセシビリティは、障がいのある人だけでなく、それ以外の人と分け隔てなく社会的包摂(しゃかいてきほうせつ)=ソーシャル・インクルージョン(social inclusion)をサポートします。

  • 高齢者
  • 農村地域の人々
  • 発展途上国の人々

ソーシャル・インクルージョンとは、全ての人を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会ことの構成員として包み支え合う
※わかりやすくいうと、全ての人を排除せず、包摂し、共に生きることができる社会を目指す考え方(共生社会

人種、性別、障がいなど垣根のない集合イラスト

アクセシビリティの大きなビジネスケース:前節で示したように、アクセシブルデザインは、特に様々な状況、異なるデバイス、高齢ユーザに、経験値と満足度を向上させます。アクセシビリティを確保することで、ブランド力を高め、イノベーションを推進し、市場を拡大することができます。

Webのアクセシビリティ

Webアクセシビリティは、Web技術、Webブラウザなどのユーザーエージェント、オーサリングツール、Webサイトなど、いくつかのコンポーネントと連携することで成り立ちます。
W3Cウェブ・アクセシビリティ・イニシアティブ(WAI)は、アクセシビリティ・ソリューションを説明する技術仕様、ガイドライン、テクニック、およびサポート・リソースを策定しています。これらはウェブアクセシビリティの国際規格とされており、例えばWCAG 2.0はISO規格でもあり、ISO/IEC 40500です。

Webをアクセシブルにするために

Webサイトのアクセシビリテを高めるには、理解し、実装するのはとても簡単です。しかし、アクセシビリティ・ソリューションの中には、より複雑で、実装には多くの知識が必要なものもあります。

プロジェクトの初期段階からアクセシビリティに配慮することは、効率的で効果的です。

Webサイトをデザインするにあたって、コーディングからビジュアルデザインを最初の段階で当たり前のことを、基本に忠実にするだけです。

アクセシビリティの評価

Webサイトを開発または再設計する際には、アクセシビリティの問題を早期に発見し、対処しやすくするために、開発の初期段階および開発プロセス全体を通してアクセシビリティを評価してください。ブラウザの設定を変更するなどの簡単な手順で、アクセシビリティの一部の側面を評価することができます。Webサイトがすべてのアクセシビリティ・ガイドラインを満たしているかどうかを判断するための総合的な評価には、より多くの努力が必要です。

評価に役立つ評価ツールがあります。しかし、ツールだけでは、そのサイトがアクセシビリティ・ガイドラインを満たしているかどうかを判断することはできません。サイトがアクセシブルであるかどうかを判断するには、知識を持った人間による評価が必要です。

例題

<img src="https://www.example.com/img/smallhouse-mountains.png" alt="山の中にある小さな家">

画像には、マークアップ/コード内に代替テキストを含める必要があります。

画像にaltタグが空欄だった場合、例えば、目の不自由な人が、ページの情報を読み上げるスクリーンリーダーを使っても、画像情報を理解できず、画像イメージをつかむことができません。

目の不自由な人だけでなく、画像をオフにしている人(Web回線速度が不安定な場所にいる人など)にも情報を提供することができます。

ただし、画像に何の意味も持たない場合には、代替テキスト alt=”見出しの装飾画像” のようにする必要はありません。不要な情報を避け、情報負荷を減らします。

文章ではなく画像でイメージを伝えたいときに代替テキストを使用します。

キーボード入力

マウスとキーボード

マウスを使用できない人もいます。細かな運動機能を苦手とする高齢者も含まれます。アクセシブルなWebサイトでは、マウスに頼らず、キーボードからすべての機能を利用できるようにします。そうすれば、障がいがある人は『音声入力』など、キーボードに似たような動作(Keyboard Accessible)をしてくれる支援技術を使用できます。

オーディオトランスクリプト(話されたことを文書にするにスクリプト)

目が見えない人に画像が利用できないように、耳が聞こえない人には音声ファイルが利用できません。文字情報を提供することで、耳の不自由な方はもちろん、検索エンジンや他のテクノロジーからも音声情報にアクセスできるようになります。

Webサイトでトランスクリプトを提供することは簡単で、比較的安価にできます。また、HTML形式のテキストトランスクリプトを作成するトランスクリプトサービスもあります。

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